EXHIBITIONS

ミレーから印象派への流れ

2021.10.01 - 10.21

ジャン=フランソワ・ミレー 慈愛 1858-59 トマ=アンリ美術館蔵 © Musée Thomas-Henry, Cherbourg-en-Cotentin

 岐阜県美術館で展覧会「ミレーから印象派への流れ」が開催。フランスとイギリスの美術館が所蔵する珠玉のコレクションを紹介する。

 工業化に伴って都市の人口が増え、ブルジョワ文化が花開いた19世紀のフランスでは、人々は自然を求めて郊外への旅や余暇を楽しむようになった。19世紀後半に展開した印象派に代表されるフランス近代絵画は、パリだけでなく地方においても豊かに育まれ、美しい自然や風土の新たな描写を生み出した。

 バルビゾン村で農民の生活を見つめたミレーは、郷里ノルマンディーでもそこに暮らす人々を描き、モネは光と色彩を追求し、ルノワールやセザンヌらとともに近代絵画の多様な展開を実現。そしてブルターニュ地方では1880年代からポン=タヴェンに集まった画家たちが、絵画の革新を切り開いた。

 本展では英仏海峡沿いのドゥエ美術館、トマ=アンリ美術館、カンペール美術館に加えて、早くから印象派コレクションを形成していたイギリスのウェールズ国立美術館のコレクションから、総勢45名の作家・69作品が来日。パリで見られるものとは異なる、個性的な名品が集う。

 出展作家は、ジャン=フランソワ・ミレー、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、アンリ・ウジェーヌ・ル・シダネル、ポール・セリュジエ、モーリス・ドニなど。ミレーらバルビゾン派から印象派へ、巨匠たちの饗宴を楽しみたい。