EXHIBITIONS

森栄喜「雷電 Dialogue」

2021.09.29 - 10.10

森栄喜 雷電 Dialogue 2021 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 雷電 Dialogue 2021 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 雷電 Dialogue 2021 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 雷電 Dialogue 2021 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 雷電 Dialogue 2021 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

 KEN NAKAHASHIでは、写真家・森栄喜による特別作品展示「雷電 Dialogue」を開催。同ギャラリーで行われたグループ展「one’s signal」(7月21日〜9月26日)の会期前半で森が発表した、サウンドと映像からなる《雷電 Dialogue》を、ギャラリー空間での構成を変えて再び展示する。

《雷電 Dialogue》(2021)は、指先の触覚をマイクによって音に翻訳・拡張しながら拾い集め、その場の環境音も録音したフィールド・レコーディングのサウンドを中心に、三脚に設置したカメラがとらえた定点映像を組み合わせた作品。ある日の港で、真っ直ぐな地平線、空に浮かぶ雲、雲間から覗く青空、偶然飛んで行った鳥など、刻一刻と移り変わる広大なランド・スケープを背景に、森がマイクでそこにはいない誰か、不在の輪郭をゆっくりとなぞっていく。

 港に打ち寄せる波音、カモメの鳴き声、入港する船のエンジン音。森の耳には聞こえていた、あるいは聞き得ていたかもしれない音が流れ、やがて映像は無人の風景へと変わり、突如、音も映像も風のように消えて約40秒間の静寂が訪れる。そしてループ状に何度も、森がマイクで不在の輪郭をなぞる行為(記録)が6分10秒間再生される。

 本展は、10日という短い期間のもと、別れのための儀式でもあるような《雷電 Dialogue》を、KEN NAKAHASHIの開廊8年目記念したグループ展「one’s signal」の終了後に再生させることを試みる。