EXHIBITIONS

奥能登国際芸術祭2020+

石川県珠洲市全域
2021.09.04 - 11.05

ビアス・レーベルガー Something Else is Possible/なにか他にできる 2017 「奥能登国際芸術祭」での展示風景 エレン・エスコベード作「coatl」[1980年メキシコ国立自治大学文化センターに恒久設置]を参照

 能登半島最先端の地・石川県珠洲市を舞台とした芸術祭「奥能登国際芸術祭2020+」が開催される。本祭の総合ディレクターは北川フラム(アートディレクター)。

 新型コロナウイルスの影響によって2020年9月の開催を延期し、1年後に実現する本祭。準備期間の延長をプラスととらえ、当初の名称「奥能登国際芸術祭2020」に「+(プラス)」をつけ、芸術祭にさらなる魅力を加える。このタイトルには、コロナ禍によって生まれた新たな生活様式とそれに対応する新たな芸術祭スタイルの創造によって、来場者への徹底した安全とより多様な楽しみ方を提供する「+」という意味も込められている。

 今年は、16の国と地域から53組(うち新作47組)のアーティストによる作品が集結。海を眺めながら鑑賞できる作品や、いまは廃線となった「のと鉄道能登線」の原型をとどめた駅舎や線路跡を生かした展示、また地域の伝統や、陸から見れば遠く、海からは近い地理的な特性に向き合って制作された作品など、珠洲市の各所でアートが響き合う。日本からは、青木野枝、石川直樹、磯辺行久、金氏徹平、河口龍夫、さわひらき、塩田千春、南条嘉毅、原広司、ひびのこづえ、村上慧、山本基らが参加。


 そして本祭の開催の時期に合わせ、博物館と劇場が一体化した「スズ・シアター・ミュージアム」が新たに開館する。「光の方舟」と名付け、過疎高齢化によって「家じまい」が進む珠洲の各家庭に残されたモノを主役とする同館は、空き家などに眠ったままとなっている「地域の宝」を住民やアーティスト、サポーターらがともに集めて保存する「大蔵ざらえプロジェクト」の拠点ともなる。

 また「奥能登国際芸術祭2020+」の会期中には、市内各所で秋祭りが毎夜のように催され、昼の景色とはまた異なる、珠洲市の魅力を楽しむことができる。

 本祭の鑑賞にあたっての注意事項や最新情報は、公式ウェブサイトをチェックしてほしい。