EXHIBITIONS

藤井フミヤ展

デジタルとアナログで創造する 多様な想像新世界ーThe Diversity

藤井フミヤ

藤井フミヤ LIFE 1993 © FFM2021

藤井フミヤ 鏡の中  2017 © FFM2021

藤井フミヤ AI Girl in Space 2018 © FFM2021

藤井フミヤ 花嫁 2021 © FFM2021

藤井フミヤ JAPANISM 2021 © FFM2021

藤井フミヤ EYES in Red 2021 © FFM2021

「藤井フミヤ展 デジタルとアナログで創造する 多様な想像新世界ーThe Diversity」が福岡アジア美術館に巡回する。

 1983年、チェッカーズのボーカルとしてデビューした福岡県久留米市出身の藤井フミヤ。子供の頃から絵を描くのが好きだったと言い、90年代初頭のパソコンが出始めの頃から、ソフトウェアを使ってCGアートを意欲的に制作してきた。93年には初個展「FUMIYART‒Take a break-」を開催。国内での巡回展、ニューヨークやパリでも作品を発表し、その多才ぶりで多くのファンに衝撃を与えた。そして大規模巡回展「FUMIYART」(2003)から16年間の沈黙を破り、東京で開催された「FUMIYART 2019」においても大盛況を収めた。

 本展では、これまで発表してきた作品に加え、福岡会場のために制作された初公開作を含む、約100点以上の作品が一挙に揃う。

 会場は導入として「FUMIYART」の原点まで遡り、CGアート、線画、カッターを駆使した「ハリエ」や「キリエ」などを展示。時を経てなお新鮮で、見る者を引きつける力をもつ画業を振り返ったのち、近年に制作された絵筆やペンを駆使したアナログ作品を紹介する。

 時に甘美なエロティシズムが香り、時にファンタジックな夢想を喚起させる藤井のアナログ作品。硬質なボールペンを用いた線を無数に集積させるオリジナルの技法で制作されたペン画、クリムトの絵画に触発され、装飾的な空間のなかに精緻なタッチで女性像を描いた油彩画、うずくまったポーズの女性をアクリルや水彩で描き、新しい肉体美の世界を追求した「コーナーの女」シリーズ、そして針金を折り曲げて制作した女性像など、多彩な技法を用いた作品が並ぶ。

 藤井が創造する世界、それは人間の叡知とコンピュータがつくりあげる新しい芸術の境地と、職人的とも言える細密表現や肉筆表現でつくるアナログアートの世界。本展を通して、その多様な想像新世界「The Diversity」を堪能したい。