EXHIBITIONS

生誕120年

円谷英二展

2021.08.17 - 11.23

クレーンに乗る円谷英二(1934年) 国立映画アーカイブ蔵

『乱軍』(1927年、松竹下加茂、犬塚稔監督、円谷英二撮影)ポスター 国立映画アーカイブ蔵

「カメラワーク」1933年4月臨時号(日本カメラマン協会) 国立映画アーカイブ蔵

『かぐや姫』(1935年、J.O.スタヂオ、田中喜次監督、円谷英二撮影) 国立映画アーカイブ蔵

『小唄礫 鳥追お市』(1936年、J.O.スタヂオ、円谷英二監督) 国立映画アーカイブ蔵

『ハワイ・マレー沖海戦』(1942年、東宝、山本嘉次郎監督)真珠湾セット撮影スナップ 国立映画アーカイブ蔵

『長篇怪獣映画 ウルトラマン』(1967年、円谷プロ、円谷一監督)ポスター 国立映画アーカイブ蔵

 国立映画アーカイブでは、特撮の父・円谷英二の生誕120年を記念した展覧会を開催する。

 福島県須賀川町(現・須賀川市)に生まれ、若き日は飛行機の操縦士を目指した円谷英二。1919年に東京で映画界に入り、京都では当時気鋭の監督・衣笠貞之助(きぬがさ・ていのすけ)の率いるグループに参加したのち、松竹の新スター林長二郎(のちの長谷川一夫)を擁した時代劇のフレッシュなキャメラマンとして頭角を表した。

 アメリカ映画『キング・コング』(1933)に魅入られて特撮の研究を始めた円谷は、やがてミニチュア撮影により東宝撮影所の航空映画に貢献。戦争映画『ハワイ・マレー沖海戦』(1942)では日本映画界全体に特撮の意義を知らしめた。そして戦後、たゆまぬ創意工夫を通じ、日本初の「特技監督」として東宝撮影所などから数々の戦争映画・怪獣映画・SF映画を送り出すと、63年には円谷特技プロダクション(現・円谷プロダクション)を興してテレビ特撮の礎を築き、後進の育成にも努めた。

 円谷の出身地・須賀川市との共催により実現する本展は、「若き映画キャメラマンとして」「特撮への志」「東宝特撮の時代」「円谷プロの創設」の4章で構成。2021年にイギリスで新たに発掘された円谷撮影の初期作品『かぐや姫』(1935)も含めて、若き日の功績にも注目しながらその生涯を紹介する。