EXHIBITIONS

日本民藝館改修記念 名品展Ⅱ

近代工芸の巨匠たち

2021.07.06 - 09.23

上段左より、河井寛次郎《白地草花文長角鉢》(1939)、濱田庄司《飴釉筒描皿》(1931)
中段、式場隆三郎編『バーナード・リーチ』(型染装幀・芹沢銈介、1934)、
バーナード・リーチ《ガレナ釉櫛描柳文楕円皿》(1952)、『工藝』第101号(版画装幀・棟方志功、1939)
下段、河井寛次郎《辰砂菱花文鉢》(1941)、濱田庄司《海鼠釉紋押鉄絵角皿》(1944)

バーナード・リーチ 楽焼葡萄文蓋付壺 1913

芹沢銈介 笹牡丹唐草文帯地(部分) 1935

富本憲吉 色絵薊葉文角皿 1936

 改修を終えた日本民藝館の「日本民藝館改修記念 名品展」の第2回では、「近代工芸の巨匠たち」をテーマに開催する。

 近代工芸の巨匠、バーナード・リーチ、河井寬次郎、濱田庄司(3人ともに陶芸)、芹沢銈介(染色)、棟方志功(版画)。日本民藝館の創設者・柳宗悦と親しく交流した5人の作家たちは、生活に役立つ実用工芸を中心に、近代を代表する優れた作品群を生み出した。

 2回目となる改修記念名品展では、柳の思想に共鳴し、制作活動に生かしたこれら工芸作家の代表作を中心に展示する。開館85周年の節目ともかさなる展覧会。

 1982年以来およそ40年ぶりの改修工事によって、創設時に近い空間へと生まれ変わった大展示室を中心とする本館2階では、巨匠たちの大正時代~1945年までの作品を展観し、民藝運動が胎動し成熟した時代を振り返る。

 本館1階では、5人それぞれの作風を確立させた戦後の作品に注目。さらには濱田・富本・芹沢・黒田に続き、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された金城次郎(琉球陶器)、島岡達三(縄文象嵌)ら、のちの時代を引き継いだ作家たちの作品も合わせて紹介する。

 また、初期民藝運動に関わり、近代工芸史上に大きな足跡を刻んだ富本憲吉(陶芸)や黒田辰秋(木漆工芸)らの作品も交えて展示。民藝運動の本拠地・日本民藝館という独特な展示空間で、巨匠たちの競演を堪能したい。