EXHIBITIONS
迫鉄平「POOR, VIDEO, ANYTIME GOD」
アーティスト・迫鉄平が個展「POOR, VIDEO, ANYTIME GOD」をSprout Curationで開催。本展は、迫が撮影したスナップ写真を、静止画として初めて作品化することを試みる。
迫は1988年大阪府生まれ。2015年にキヤノン写真新世紀グランプリを受賞。写真でとらえた「決定的瞬間」を映像作品として提示する手法で、写真というメディアの特性や限界を考察してきた。本展では静止画によって、ジャン・ボードリヤールの写真論『消滅の技法』を彷彿させる、認識主観の外部に現れる資本新世の異形とその抽象性について探る。
社会学者、哲学者ボードリヤールは、1980年代に日本でコンパクトカメラを贈られたことをきっかけに写真を撮り始め、やがてそれは趣味の域を超え、自らの写真と写真論を著作『消滅の技法』(パルコ出版、1997)として残すまでに至った。同書は、一貫して実在論的であり、認識主観の中心である人間の主人性の外部を美学的に論じている。
本展で展示される「POOR, VIDEO, ANYTIME GOD」シリーズのスナップ写真は、2020年4月の緊急事態宣言により外出制限を余儀なくされた時、迫の自宅のある相模原市・橋本付近で撮影されたもので、毎日Tumblrにアップするという作業が続けられている。今作では、そこから2枚ずつスナップ写真を使って雑誌の見開きのように構成し、左側のイメージは中心部を捨象して空白に、右側にはその空白の補完を促すように、同じサイズで別のイメージを併置している。
迫のスナップ写真は画面中心だけでなく画面の辺縁であることを特徴としており、同シリーズの一見凡庸で冗長なイメージの連続は、しかし検証してみるとボードリヤールの写真論との接続点を見出すことができる。
迫は1988年大阪府生まれ。2015年にキヤノン写真新世紀グランプリを受賞。写真でとらえた「決定的瞬間」を映像作品として提示する手法で、写真というメディアの特性や限界を考察してきた。本展では静止画によって、ジャン・ボードリヤールの写真論『消滅の技法』を彷彿させる、認識主観の外部に現れる資本新世の異形とその抽象性について探る。
社会学者、哲学者ボードリヤールは、1980年代に日本でコンパクトカメラを贈られたことをきっかけに写真を撮り始め、やがてそれは趣味の域を超え、自らの写真と写真論を著作『消滅の技法』(パルコ出版、1997)として残すまでに至った。同書は、一貫して実在論的であり、認識主観の中心である人間の主人性の外部を美学的に論じている。
本展で展示される「POOR, VIDEO, ANYTIME GOD」シリーズのスナップ写真は、2020年4月の緊急事態宣言により外出制限を余儀なくされた時、迫の自宅のある相模原市・橋本付近で撮影されたもので、毎日Tumblrにアップするという作業が続けられている。今作では、そこから2枚ずつスナップ写真を使って雑誌の見開きのように構成し、左側のイメージは中心部を捨象して空白に、右側にはその空白の補完を促すように、同じサイズで別のイメージを併置している。
迫のスナップ写真は画面中心だけでなく画面の辺縁であることを特徴としており、同シリーズの一見凡庸で冗長なイメージの連続は、しかし検証してみるとボードリヤールの写真論との接続点を見出すことができる。

