EXHIBITIONS

石川竜一 写真展「いのちのうちがわ」

2021.03.20 - 04.18

石川竜一 鹿の腎臓 北海道 2018

石川竜一 写真展「いのちのうちがわ」より

石川竜一 写真展「いのちのうちがわ」より

石川竜一 写真展「いのちのうちがわ」より

石川竜一 写真展「いのちのうちがわ」より

 写真家・石川竜一の新作個展「いのちのうちがわ」が渋谷のSAIで開催される。3月20日〜4月18日まで。

 石川は1984年生まれ。学生時代にカメラと出会い、2010年に勇崎哲史に師事。11年に東松照明デジタル写真ワークショップに参加。現在まで自身の出身地でもある沖縄を拠点に制作活動を行う。沖縄の風景やそこに住む人々のありのままの一瞬を、独自の視点でポートレイトやスナップとして切り取り、14年には写真集『絶景のポリフォニー』と『okinawan portraits 2010-2012』 が木村伊兵衞写真賞を受賞した。

 本展では、16年に発表した「CAMP」に続く、山での生活のなかで撮影した新作42点を展示する。

 ポートレレイト作品から一貫して、「生」というものに向き合ってきた石川は、厳しくも美しい自然のなかで生活をしていくうちに、自身と自然、内と外との境界線が曖昧になっていくと語る。そのような経験から見出された「CAMP」は、いままでの生活にあった物事のつながりやロジックを超えたところで動く力を昇華し、新たな思考として私たちに静かな衝撃を与えるだろう。

 展示会場では新作の写真集『いのちのうちがわ』(赤々舎)の先行販売をはじめ、作家によるエキシビションツアーも開催予定。デジタル化が先行する時代に、これほどまでにまっすぐに命と向き合った作品を、渋谷という都市の中心で鑑賞できる貴重な機会となる。

 また会期間中の3月26日、27日の2日間にわたり、石川によるエキシビションツアーのイベントも開催予定。本イベントでは作家本人が参加者とともに展示会場を巡り、作品解説を行う。3月21日まで、SAIのウェブサイトでイベントの参加を募集中だ。
 
「その美しさは完璧なように思え、頭で考えても理解できない感覚や感情はここからきているのだと感じた。自然のうちがわに触れ、その圧倒的な力を思い知らされたとき、物事の区別は緩やかなグラデーションで繋がって、自分自身もその循環のなかにいるのだと感じる(石川竜一)」。