EXHIBITIONS

約束の凝集 vol.3

黑田菜月「写真が始まる」

2021.03.16 - 06.05

黑田菜月 部屋の写真 2021

黑田菜月 友だちの写真 2018/2021

 長谷川新(インディペンデントキュレーター)をゲストキュレーターに迎えたαMプロジェクト「約束の凝集」の第3回は、黑田菜月の個展「写真が始まる」を開催する。

 黑田は1988年神奈川県生まれ。2011年中央大学卒業。ありふれた日常の風景や瞬間をとらえ、神秘的な気配を感じさせる写真や映像作品を撮影してきた。13年に「第8回写真『1_WALL』」グランプリを受賞。主な展覧会に、「わたしの腕を掴む人」(ニコンサロン、東京/大阪、2017)、「友だちの写真」(ギャラリーOGU MAG、東京、2018)などがある。また、16年からは横浜市立金沢動物園にて毎年行われているメディアアート展「ひかるどうぶつえん」に参加。19年には同園にて写真と映像のグループ展「どうぶつえんの目」を企画した。

 本展では、2つの映像作品《友だちの写真》(2018/2021)と《部屋の写真》(2021)が上映される。

《友だちの写真》は、2018年5月に横浜市立金沢動物園で子供たちを対象としたワークショップでの様子を映した作品。子供たちは写真を使って問題をつくる「問題チーム」と、その問題を解く「推理チーム」の2班に分かれて動物園を歩き回り、互いが顔を合わせることなく写真を通してやりとりをする。

 いっぽう《部屋の写真》は、黑田が2017年頃から断続的にインタビューしてきた、介護の現場の人々の記録。介護者に手渡される写真は、かつて介護者自身が介護した人の部屋の写真である。一人ひとりがその写真から何を見つけ、何を思い出し、どのように自分に引き寄せて言葉にしていくか、写真を見て語るその時間に同行する。