EXHIBITIONS

あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの

平本成海 H01529「PRIVATE VOYAGER」シリーズ 2020

吉田志穂 測量|山 2020

チバガク m2「study(m,g-itbd)」シリーズ 2020

「あざみ野フォト・アニュアル」は現代の写真表現を紹介する企画展と、収蔵する横浜市所蔵カメラ・写真コレクションを活用したコレクション展を毎年同時開催するシリーズ。今期の企画展「あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの」では、若手作家7名による写真を通じて、現代の写真表現の可能性を探る。今回はコ・キュレーターに菅沼比呂志を加えた。

 写真という表現手段・媒体は、1839年の誕生以降、写真でしかできない表現を追求し、モダニズムの文脈のなかでその存在理由を示そうとしてきた。2000年代に入って、デジタル技術の進歩やオンラインネットワークの普及によってますます表現の幅が広がり、そして2020年、コロナ禍において外出が制限されるなどの条件下で、その表現形態にも新たな側面を見せつつある。

 いま写真を学ぶ学生たちが、自宅で何かを撮るよう課題を出されることはその一例。コロナ禍は外界の世界をモチーフとする写真家、写真を用いて表現する作家たちに様々なレベルで影響を与えている。

 こうした状況下で本展では、写真のあり様を拡張し続けている宇田川直寛、川島崇志、木原結花、チバガク、新居上実、平本成海、吉田志穂の7名の若手作家を紹介しながら、写真という表現形態の新たな側面と、これからの可能性を探る。