EXHIBITIONS

張騰遠「NEW NORMAL」

2021.01.16 - 02.13

張騰遠 新作 参考図版 2020

 台湾出身のアーティスト・張騰遠(チャン・テン・ユアン)の個展「NEW NORMAL」が開催される。

 張は1983年生まれ。地球滅亡後の未来の世界を舞台に、遺跡となった現代の文明をリサーチするエイリアンや、人間を模倣しながら感情や行動の意味までは理解できないオウムを描いた作品など、鑑賞者の既成概念を取り払い、物事への複眼的な再考を促す独創的な物語を展開してきた。国立台湾美術館での個展開催(2013)や、台北ビエンナーレ(2016)への参加など、着実にフィールドを広げ、国際的な注目を獲得しつつある。

 本展は、新型コロナウイルスの影響を受けての開催延期、その代替企画としてのオンライン・エキシビション「Human Being: COVID-19」(2020)を経てようやく実現。張は今回のパンデミックに自らも影響を受けながら、積極的に「NEW NORMAL」の問題を取り上げてきた。

 本展では、パラレルワールドの地球を舞台に、パンデミック後の時間経過を5つの色で表現。作家の仮想するアフターコロナの世界が、約50枚のドローイングポスターや変形キャンバスなどに描かれる。

 張の作品に登場するキャラクター「パロットマン(Parrot Man)」は、人類滅亡後の未来の地球で、遺跡となった文明を調査するエイリアンであり、人間の模倣はできても、感情や意味までは理解出来ないオウムたち。遠い未来から現代の人間社会を研究するパロットマンたちの行動を鑑賞する時、私たちは俯瞰的に現代社会について再考することになる。

 また本展では、オンライン限定での公開だった「Human Being: COVID-19」の作品も同時に展示する。