EXHIBITIONS
河鍋暁斎の底力
幕末から明治を生き、幅広い画題の作品を残した絵師・河鍋暁斎の展覧会「河鍋暁斎の底力」が東京ステーションギャラリーで開催。暁斎の本画を一切展示せず、下絵・画稿・席画によって、描写と表現の力量のみを存分に味わう挑戦的な展覧会となる。
本画とは、下絵を描き彩色を施した完成作品のこと。本展では、これまで開催されてきた暁斎の展覧会とは異なり、河鍋暁斎記念美術館の充実した収蔵品から厳選した素描・下絵・画稿、また宴席などにおいて即興で描かれた席画、絵手本など、暁斎の生の筆づかいが感じられる作品だけを展示する。
本画は完成度が高いいっぽうで、筆勢が抑制され、彩色などは時に弟子の手が入ることもあった。また暁斎は、彫師と摺師の協力を得て完成させた版画作品を多く手がけ、これらの下絵や画稿類からは卓越した筆力を直に見ることができる。
衣服の襞や髪の毛、顔や身体の皺などの細部の描き込み、本画では整理されてしまう、線描の迫力や筆の勢いが、画稿や下絵の魅力。さらに、書画会や宴席で下描きなしに即興で描いた席画は、暁斎の守備範囲の広さと卓越した画力を伝える。
本展は初公開作を多数展示。また暁斎の下絵のなかでも、ユニークな画題やユーモアあふれる描写でよく知られる作品《鳥獣戯画 猫又と狸 下絵》については、「猫又と狸」の画面のうえに続く失われていた「ねずみたち」のピースが新たに発見され、本展で合体した姿で初公開される。
本画とは、下絵を描き彩色を施した完成作品のこと。本展では、これまで開催されてきた暁斎の展覧会とは異なり、河鍋暁斎記念美術館の充実した収蔵品から厳選した素描・下絵・画稿、また宴席などにおいて即興で描かれた席画、絵手本など、暁斎の生の筆づかいが感じられる作品だけを展示する。
本画は完成度が高いいっぽうで、筆勢が抑制され、彩色などは時に弟子の手が入ることもあった。また暁斎は、彫師と摺師の協力を得て完成させた版画作品を多く手がけ、これらの下絵や画稿類からは卓越した筆力を直に見ることができる。
衣服の襞や髪の毛、顔や身体の皺などの細部の描き込み、本画では整理されてしまう、線描の迫力や筆の勢いが、画稿や下絵の魅力。さらに、書画会や宴席で下描きなしに即興で描いた席画は、暁斎の守備範囲の広さと卓越した画力を伝える。
本展は初公開作を多数展示。また暁斎の下絵のなかでも、ユニークな画題やユーモアあふれる描写でよく知られる作品《鳥獣戯画 猫又と狸 下絵》については、「猫又と狸」の画面のうえに続く失われていた「ねずみたち」のピースが新たに発見され、本展で合体した姿で初公開される。