EXHIBITIONS

没後35年 鴨居玲展 静止した刻

2020.09.12 - 12.06

鴨居玲 静止した刻 1968 東京国立近代美術館蔵

鴨居玲 夜(自画像) 1947 笠間日動美術館蔵

鴨居玲 教会 1976 公益財団法人ひろしま美術館蔵

鴨居玲 出を待つ(道化師) 1984 個人蔵

鴨居玲 1982 年 私 1982 石川県立美術館蔵

鴨居玲 酔って候 1984 石川県立美術館蔵

 鴨居玲(1928〜85)は石川県金沢市出身の洋画家。金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で宮本三郎に学んだ鴨居は、1969年の安井賞受賞で一躍脚光を浴びると制作の拠点をフランスやスペインに移し、老人や酔っ払いに自身の姿を重ねる独自のスタイルを確立した。77年に帰国し、神戸にアトリエを構えてからは、裸婦像の制作に本格的に取り組むなど新たな展開を見せたが、57歳で自らの人生に幕を下ろした。

 人間の弱さや醜さに目を背けず、ひたすら人間の内面を描き続けた鴨居。確かなデッサン力で描かれた老人や酔っ払い、宙に浮かぶ教会やおびただしい数の自画像といった作品の数々は、美醜を超えて人間の極限的なものを私たちに突きつける。

 画家の没後35年の節目に開催する本展では、出世作となった安井賞受賞作品《静止した刻》や《1982年 私》など代表作を含む約100点の作品と資料を展示し、「人間とは何か」を問い続けた画業の全貌を紹介する。