EXHIBITIONS

柳原義達展

2020.04.18 - 06.07

柳原義達 風の中の鴉 1982 三重県立美術館蔵

柳原義達 坐る 1960 三重県立美術館蔵

柳原義達 鳩と裸婦 1999 三重県立美術館蔵

 平塚市美術館は、日本の彫刻界を代表する作家のひとり・柳原義達(1910〜2004)の業績を振り返る小企画展を開催する。

 戦前よりロダン、ブールデルの影響を受けて彫刻制作を始めた柳原。戦争を経て、戦後の1953年に渡仏し、新たな具象彫刻を展開した。その緊張感に満ちた造形性は、対象の本質を表し、具象彫刻の可能性を押し開くものだった。加えて柳原は、ヒューマニズムに裏打ちされた感覚により、生命感あふれる作品を発表し、戦後日本の彫刻界に大きな足跡を残した。

 本展では、鴉や鳩を題材とした代表的な彫刻シリーズや素描を合わせ約90点を展示し、柳原彫刻の魅力を紹介する。

「生命の力の移動を見、その移動によってプランが構成される芸術は、絵ではきない。ただひとつの彫刻の世界、とくに具象の作家の仕事ではなかろうか。私はこのことこそ、唯一の純粋な彫刻の美であり、具象の美しさであると信じている。私は少しでも絵画的表現の戦前の仕事から、彫刻の本質とは何かの困難な道を歩みたい(柳原義達、『柳原義達美術論集孤独なる彫刻』より)」

※平塚市美術館は新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため、4月9日〜6月30日まで臨時休館。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。