EXHIBITIONS

2019年度ヤング・ポートフォリオ

エリザベス・ハウスト 思いやり 2016 © Elizabeth Haust

アリョーナ・カハノヴィチ クラゲの花 2018 © Alena Kakhanovich

ツナ・リー キルト・記憶の一部:培材大学校東棟(1916年) 2017 © Tuna Lee

ワン・シンイ 自室のドラァグ・クイーン / キング 2018 © Wang Hsin Yi

山下裕 代償の地 -七里村- 2017 © Yu Yamashita

ピョートル・ズビエルスキ 無題 「木霊・翳」シリーズより 2017 ©︎ Piotr Zbierski

淵上裕太(日本、1987) 上野公園(いつもは、もっぱら歌舞伎町だ!!) 2017

井上拓海(日本、1992) Lif-e-Motion「モモブトオオルリハムシ(Sagra buqueti)」 2018

Ryu Ika(中国、1994) Big Brother is Watching you 2018

魏子涵(中国、1994) 異なる世界への入り口 2018

許力静(中国、1986) Rat 2010-15

アリョーナ・カハノヴィチ(ポーランド/ベラルーシ、1985) Plastic World 2018

森本眞生(日本、1985)  わたしの森 2018

エリザベス・ハウスト(ロシア、1992) We are 2018

「ヤング・ポートフォリオ」は、清里フォトアートミュージアムの理念のひとつであり、「写真を通して世界の若者を支援する」ことを目的に、1995年度より継続する文化貢献活動。毎年、世界の35歳までの若手写真家の作品を公募し、第一線の写真家による厳正な選考を経て、若手写真家の貴重な初期作品を購入・収蔵することで、作家の「原点」を後世に残す活動を続けている。

 選考された作品を美術館が永久保存するという、コンテストと異なる性格を持つ本活動は、世界でも他に類をみないもので、2004年には、公益社団法人日本写真協会より文化振興賞が贈られている。

「ヤング・ポートフォリオ」の第25回となる2019年度は、同館館長の細江英公、川田喜久治と都築響一の3名が作品を選考。今年は世界22ヶ国より152人の応募が集まり、22名(136点)の作品を新たに美術館のコレクションに収蔵した。

 本展では、東欧からアジア、日本まで、2019年度収蔵作品すべてと、過去のヤング・ポートフォリオにて収蔵した作品20点が一堂に集結。また選考委員3人の初期作品各5点と、同館のコレクションより、ウイリアム・クラインの初期シリーズ「東京」10点を加えた計173点が揃う。

 2019年度の収蔵品は、1985〜1993年までの幅広い世代の表現が見どころ。上野公園で撮影を行い、カメラを介して「キャラクター」ではない生身の人間と対話を通して自身の存在と世界に向き合った淵上裕太(1987生まれ)の「UENO PARK」シリーズや、世界の昆虫の3分の1が絶滅危機にあることに着目し、ドライフルーツなどを組み合わせて撮影することで、個々の種を「再生」させる井上拓海(1992年生まれ)の「Lif-e-Motion」シリーズのほか、国内外の多数の作品が並ぶ。

 加えて、選考委員を務めた川田喜久治、都築響一、細江英公(館長)の青年期の作品各5点を展示。さらに特別展示として8月31日まで ウィリアム・クライン、9月2日~10月5日までロバート・フランク、そして10月7~11月8日までアンドレ・ケルテスの青年期の作品(同館蔵)も公開する。

※清里フォトアートミュージアムは7月1日より再開し、本展の会期を変更して開催(当初の会期は4月1日〜6月14日)。来館にあたっての注意事項、最新情報は公式ウェブサイトにて案内。