EXHIBITIONS

蓮沼執太「OTHER “Someone’s public and private / Something’s public and private”」

2020.02.01 - 02.29

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 void+の2020年の展覧会第1弾では、音楽家、アーティスト・蓮沼執太の個展が開催。昨年、1日限りの展覧会としてニューヨークのトンプキンズ・スクエア・パークで行った「Someone’s public and private / Something’s public and private」を、アーカイブとともに東京で再構築する。

 蓮沼は1983年東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外でのコンサート公演をはじめ、映画や演劇、ダンスなどの音楽を多数手がけている。また「作曲」という手法を応用し、彫刻や映像、インスタレーション、パフォーマンスなども展開。近年の展覧会では、人と人との、人と人以外の関係性について考察を重ねている。

「Someone’s public and private / Something’s public and private」は、様々な関係性が存在する多様性の集合体とも言えるニューヨークの公園を発表の場に、その多様な関係性のあり方を作品を介して自由かつ能動的に体験するプロジェクト。蓮沼は公園に自身の体重分の水が入ったボトルとインストラクションを置き、参加者はその指示に従ってボトルを自由に動かし、最後にはボトルを持ち帰ることができた。

 参加者の手に渡ったボトルは、パブリックの場に広がり、やがてプライベートな場に移る。「パブリック」と「プライベート」が交差し、様々な要素が一体となった同プロジェクトは、蓮沼が以前に述べた「音楽は生活のなかで生まれ個人から出発して個人へ戻る」という言葉に結びつく。

 本展では、ギャラリーをキャンバスに見立て、1日限定で行われたプロジェクトの記録映像や写真、音源、メモなどを展示。記録を振り返るだけでなく、新たに鑑賞者と作品との対話が生まれるコミュニケーション形式の空間となる。また会期中には、東京では初の実施となるリーディング・イベントも開催。