EXHIBITIONS

1933年の室内装飾

朝香宮邸をめぐる建築素材と人びと

2019.07.20 - 09.23

東京都庭園美術館 本館 大食堂

東京都庭園美術館 本館 正面玄関

東京都庭園美術館 本館 小客室

東京都庭園美術館 本館 小食堂

東京都庭園美術館 本館 ウインターガーデン

東京都庭園美術館 本館 大客室
ルネ・ラリック作 シャンデリア《ブカレスト》

東京都庭園美術館 本館 南面外観(夜間)

 1933年に竣工した旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)の建築としての魅力を紹介する、年に1度の建物公開展が開催されている。

 アール・デコ全盛期の最先端かつ一級品の技術・素材がふんだんに取り入れられた朝香宮邸。アール・デコの様式美に魅せられ朝香宮ご夫妻が、主要な部屋の設計をフランス人装飾美術家アンリ・ラパンに依頼し、日本側では宮内省内匠寮の技師、権藤要吉が設計を担当した。

 邸宅には、特許を取得したコンクリートに漆塗りを施す技法や、ドイツ・サルブラ社の洗浄のできる壁紙など、積極的に新しい技術や素材が用いられ、また当時美術工芸タイルの製造で名を馳せた、泰山(たいざん)製陶所と山茶窯(つばきがま)製陶所が手がけた一級品のタイルが随所に使われている。

 朝香宮邸は現在、東京都庭園美術館として、フランス直輸入のアール・デコ様式を今日まで正確にとどめ、昭和初期の東京における文化受容の様相を見ることができる貴重な歴史的建造物として、国の重要文化財に指定されている。

 今回の建築公開では、室内を構成する木材や石材、タイル、壁紙、家具といった要素に着目。それぞれの素材や技法、携わった職人や企業について、当時の工事仕様書やカタログなどの資料から解き明かすことを試みる。