EXHIBITIONS

松延総司「See the Shades」

2019.07.20 - 08.11

松延総司 Pattern of Dark #4 2018 Courtesy of Hagiwara Projects

松延総司 Pattern of Dark #4 2018 Courtesy of Hagiwara Projects

松延総司 Pattern of Dark #4 2018 Courtesy of Hagiwara Projects

松延総司 Pattern of Dark #4 2018 Courtesy of Hagiwara Projects

 松延総司が3年ぶりとなる個展で、斜線の筆致をプリントした壁紙のシリーズを中心に発表する。

 松延は1988年熊本県生まれ、2008年京都嵯峨芸術大学短期大学部卒業。主に立体やインスタレーションを制作しながら、ドローイングやデジタルメディアを使用するなど、既存の領域に限定されない独自の表現を行う。

 これまで、3次元立体のエッジを細くて黒いテープで縁取ることによって、輪郭線のような2次元的視覚効果をもたらす《Nissed》 (3次元のものをリアルに2次元に描くデッサン「Dessin」の逆表記)、大量の木や石を、異なる素材をもって手作業でつくる《Direction of Materials》などの作品を手がけ、日常の「もの」が持つ機能を解体・再構築することで、新しい認識や視点を提示している。

 加えて近年では、フリーハンドで瞬間的に描いた乱雑な線を3次元的に書き換える《Knit the Knot》をきっかけとして、より抽象的で概念的なモチーフである「線」や「影」に焦点を当てている。

 本展で発表する「Pattern of Dark」、塗りつぶす、もしくは掻き取る動作の痕跡を、黒い線で無機質にパターン化したシリーズ。「線」と「塗りつぶす」「掻き取る」行為を同時に見せ、「インクの黒」と日陰や影のように「空間に広がる黒」が鑑賞者の認識のなかでつねにゆらぎ、様々な様子の「黒/陰影」が混在する状態をつくり出す。

協賛:WhO