EXHIBITIONS

山口啓介のアトリエ エスキースと光

Books and Modern + Blue Sheep Gallery
2019.06.11 - 06.29

『山口啓介 後ろむきに前に歩く』より アトリエ写真 © 山元彩香

『山口啓介 後ろむきに前に歩く』表紙

 1980年代後半に大型の銅版画作品でデビューし大きな注目を集めた美術家の山口啓介。以降、版画や絵画、立体など様々な表現方法で種子や花、人体などをモチーフとした有機的で壮大な作品世界を展開し、同時に核や戦争といった社会的な問題もテーマに扱ってきた。

 現在、広島市現代美術館では山口の約3年ぶりとなる回顧展が開催(~9月4日)。本展はその公式図録『山口啓介 後ろむきに前に歩く』(ブルーシープ)の刊行を記念し、山口作品のエスキースと写真家の山元彩香が同書のために撮り下ろした、兵庫県にある山口のアトリエの写真を展示する。

 図録『山口啓介 後ろむきに前に歩く』には、作品図版と山口自身によるエッセイ、インタビューなどを多数収録。巻頭のアトリエ写真は、山元による独特の青みがかった色調で撮影され、窓から射し込む光のなかで制作する山口の姿、何点ものキャンバスや積み重なったノートなど、一室の凛とした空気を伝える。