EXHIBITIONS

宮本隆司「建築の黙示録」

宮本隆司 ベルリン大劇場 1985 © Ryuji Miyamoto Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

宮本隆司 オクタゴン 1991 © Ryuji Miyamoto Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

宮本隆司 筑波科学博覧会パヴィリオン 1985 © Ryuji Miyamoto Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

 建築物を中心に、都市の変貌・崩壊と再生の光景を撮影してきた写真家・宮本隆司の個展がされる。

 宮本は1947年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、建築雑誌の編集部員を経て写真家として独立。自身の方向性を模索していたさなか、目にした中野刑務所解体現場に衝撃を受け、半年にわたって解体過程に密着した。

 その後、ドイツにて遭遇したベルリン大劇場、壊すことを前提につくられたつくば科学万博パビリオン、劇場や競馬場、映画館の解体などを撮影した宮本。「『もの』としての建築の本質」を探求し、変貌する都市と建築を凝視した作品群は、86年の個展「建築の黙示録」で発表され、88年に同名作品集として出版された。解体による空間の変質そのものを正面からとらえた批評性を評価され、香港の高層スラム建築を舞台にした「九龍城砦」シリーズ(1989年に展示・出版)とあわせて、木村伊兵衛写真賞受賞を果たした。

 本展では、「建築の黙示録」から約20点を展示する。