EXHIBITIONS

米田知子「アルべール・カミュとの対話」

2019.04.13 - 05.25

米田知子 Entwined - Trees in the middle of a former trench at the Battle of the Marne 2017

 固有の場所や人の歴史、記憶を入念にリサーチし、その真実に迫る独特の⼿法で写真作品を制作してきた⽶⽥知⼦。本展では、『異邦⼈』『ペスト』など、20世紀を代表する⼩説を著したアルべール・カミュの軌跡を辿った「アルベール・カミュとの対話」(2017-18)を東京で初披露する。

 1913年、仏領アルジェリアでヨーロッパからの入植者の家系に生まれたカミュは、2つの世界大戦、移民差別や政治問題など多くの苦難に翻弄されながら、暴力に満ちた不条理な世界で人間がどうあるべきかを追求した。米田はカミュの著作や時代背景、生き方を再考することの重⼤さを感じ、その足跡を辿るべくアルジェリアとフランスに向かった。

 「アルベール・カミュとの対話」は、1914年の第一次世界大戦下のフランスで戦死したカミュの父を起点に、アルジェやティパサ、マルセイユ、パリなどを訪れ、カミュが見た世界に作家自らの眼差しを重ね合わせ制作したシリーズ。

 本展には、第⼆次世界⼤戦後に発表されたカミュのエッセイ『Neither Victims nor Executioners』(本邦未訳)で記された、「犠牲者でもなく処刑者でもない何者かであること」という意思表明に対して、「それから半世紀以上経つ今⽇の世界でこそ吟味すべき問いかけだ」という⽶⽥の思いが込められている。