EXHIBITIONS

没後200年 増山雪斎展

三重県立美術館|04.19 - 06.15

増山雪斎 虫豸帖 東京国立博物館蔵、東京都指定有形文化財 Image: TNM Image Archives

 書画に長けた文人大名として、「雪斎」の号で知られる伊勢長島藩第5代藩主・増山正賢。画は、清の沈南蘋に私淑し、山水人物から花卉草虫に至るまで、数多くの作品を残した。とりわけ、小さな生き物をこよなく愛し、虫類を写し取った博物図譜、南蘋流の花鳥画に見られる表現の精緻は、高く評価されてきた。

 雪斎の細やかな写生は、江戸博物学の発展という時代背景とともに、愛護の心に富んだ人格によるもの。雪斎の師友に対する情は篤く、江戸詰のお抱え絵師・春木南湖(はるき・なんこ)を長崎に遊学させて、来舶清人・費晴湖などに画を学ばせるなど厚遇し、また大阪の木村蒹葭堂(きむら・けんかどう)が零落したときは、しばらく領内にて庇護し、その苦境を支えた。藩も身分も越えた親交は、雪斎の文人的教養を高めるにとどまらず、長島藩の文化振興にも影響を与えた。

 雪斎の没後200年を記念する本展では、色鮮やかな博物図譜から、味わい深い水墨画まで、約30年にわたる雪斎の多彩な画業を紹介。また、各地の文人との交友により生まれた寄合書や書画帖、周辺人物との交渉を伝える史料により、文人交流において雪斎の果たした役割を顕彰する。