EXHIBITIONS

アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然

2019.04.27 - 06.23

アトリエのアアルト 1945 Aalto in his studio, 1945 © Alvar Aalto Museum Photo by Eino Mäkinen

 フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルトの、日本では約20年ぶりとなる大回顧展が青森県立美術館に巡回する。

 モダニズムの中に自然の要素を取り入れ、人々の暮らしをよりよくするための建築を追求したアアルト。手がけた建築にあうデザインのドアノブや照明器具、家具に至るまで、調和した空間は、人間にとっての「もうひとつの自然」を思わせる。

 なかでもパイミオのサナトリウム(1933)は、結核患者が自然光と清浄な空気を浴びながら療養するために配慮された、アアルトの人に優しい建築の代表的な作品。また、マイレア邸(1939)、ヴォクセニスカの教会(1958)など、私邸から公共建築まで、自然の素材を生かしながら、周囲の環境や建物の諸要素のあいだの有機的なつながりの感じられる建築をデザインした。
 
 そして、アームチェアやスツールといった家具、サヴォイ・ベースのような有機的な形態をもつガラス器などのプロダクトデザインは、現在もなおフィンランドを代表するデザインとして親しまれている。

 本展では、アアルトによるオリジナルの図面、家具、ガラス器、建築模型など約300点を展示。フィンランドの豊かな自然に根ざしたヒューマニズムの建築家、アアルトの魅力を紹介する。