EXHIBITIONS

アラワシの詠(うた)

2018.11.10 - 2019.01.20

吉増剛造 火ノ刺繍 2017-18

鈴木ヒラク GENGA #001 - #1000(video) 国際芸術センター青森での展示風景 2009 撮影=小山田邦哉 © Hiraku Suzuki

浅見俊哉 6s(祈りの土地 Field of Prayer 2014) 2014

上田假奈代(釜ヶ崎芸術大学) なつまつり書

富塚純光 歴史ロマンチック街道 我が青春 男ロマン王物語-6 2014

中村和暉 制作風景 2018

宮川隆 untitled 2011

 1964年の第一詩集『出発』以来、先鋭的な現代詩人として国内外で活躍する吉増剛造。2017〜18年にかけては、半世紀以上におよぶ活動の全容ををひも解く「涯テノ詩聲 詩人 吉増剛造」展が栃木・沖縄・東京を巡回した。

 そんな吉増の多様な創作スタイルに着想を得た本展では、吉増をはじめ、様々な手法でなにかを「アラワし」、詠うように留める7組の作家、浅見俊哉、上田假奈代(釜ヶ崎芸術大学)、鈴木ヒラク、富塚純光、中村和暉、宮川隆を紹介する。

 浅見はまばたきの瞬間をアラワした写真、上田は大阪・釜ヶ崎で「おっちゃん」たちとつくった詩や創作物、鈴木は言語以前の言語を彷彿させるドローイング。富塚は文字と絵を織り交ぜた虚構のストーリー、中村は印象に残った言葉の朗読とそのドローイング、宮川はまじないやお告げのようにも見える「絵」を、そして吉増は、手記や多重露光の写真、震災以降に書いた詩《怪物くん》、原稿上に色鮮やかなドローイングが重なる《火ノ刺繍》などを展示。

 本展にあわせ、吉増が福島で制作した作品や福島ゆかりの作品、関連資料を福島県内の文学館・美術館・博物館の3館で展示。吉増の福島県での足跡を辿り、その表現を通して震災前の福島の豊かさと震災後の姿に向き合う。