EXHIBITIONS

起点としての80年代

Starting Points: Japanese Art of the'80s

2019.01.05 - 03.24

金沢21世紀美術館での本展展示風景(左から諏訪直樹、中原浩大、吉澤美香) 撮影=木奥惠三

金沢21世紀美術館での本展展示風景(左から日比野克彦、船越桂、中村一美) 撮影=木奥惠三

戸谷成雄 中庭II 1990 高松市美術館蔵 撮影=木奥惠三

松井智惠 あの一面の森に箱を置く 信濃橋画廊(大阪、1987)での展示風景 撮影=石原友明

森村泰昌 肖像(ゴッホ) 1985 高松市美術館蔵

吉澤美香 左より《無題(テーブル)》《無題(茶だんす)》《無題(掃除機)》《無題(三脚)》 1982 千葉市美術館蔵
 撮影=木奥惠三

 1980年代は、「インスタレーション」や「メディア・アート」など、今日の美術につながる重要な動向が生まれた時代。「美術」ではなく「アート」という言葉が頻繁に使われるようになり、美術館やギャラリーでもない「オルタナティブ・スペース」が登場し、既存の美術の枠組みにとどまらない表現が広がり始めた。

 近年、「具体」や「もの派」など70年代までの戦後日本美術に関する研究は国内外で急速に進み、90年代以降のサブカルチャーに影響を受けた表現が注目を浴びる中、その狭間に当たる80年代は未だ検証の余地がある。

 金沢21世紀美術館、高松市美術館との共同企画展の締めくくりとなる本展。「メディウムを巡って」「日常とひそやかさ」「関係性」「記憶・アーカイヴ・物語」の4つをキーワードに、80年代の日本美術を現在の視点から照射する。

 出品作家は大竹伸朗川俣正日比野克彦舟越桂宮島達男森村泰昌横尾忠則ら19人。現在も日本を代表して活躍する作家たちの若き日の作品が揃う。また同時期には、80年代における静岡のアートシーンの一端をアーカイヴ資料で紹介する「Shizubi Project 7 アーカイヴ/1980年代-静岡」も開催される。