EXHIBITIONS

昔なつかし・昭和レトロ キャラクターデザインの先駆者

グラフィックデザイナー土方重巳の世界 展

2018.10.06 - 12.09

土方重巳 『ブーフーウー』(別冊キンダーブック1960年8月1日号)原画 1960

土方重巳 『ねずみとおうさま』表紙原画 1953

サトちゃん 1960頃

土方重巳 めねこの芸当 原画 1974

土方重巳 『石の花』ポスター 1947

土方重巳 『馬』ポスター 1941

土方重巳 『大いなる幻影』ポスター 1949

土方重巳 『白鳥の湖』ポスター 1946

 佐藤製薬の象をモチーフにしたキャラクター「サトちゃん」の生みの親としても知られる、グラフィックデザイナーの土方重巳。いっぽう画家として、『ねずみとおうさま』を代表作に、絵本やテレビ番組など子供に向けた仕事にも精力的に取り組んだ。

 土方は1938年多摩帝国美術学校(現・多摩美術大学)を卒業後、東宝に入社。戦前の東宝映画を代表する『馬』をはじめ、原節子や榎本健一が出演した映画のほか、戦時下に製作された『決戦の大空へ』や、知識や教養を高める目的で製作された文化映画のポスターを描いた。戦後、東宝を退社した土方は、フリーのデザイナーとして『大いなる幻影』や『石の花』など映画史に残る名作ポスターを制作。藤田嗣治が舞台装置を手がけたことでも有名な東京バレエ団の『白鳥の湖』、オペラなどの公演ポスターやチラシのグラフィックデザインに携わった。

 その後、劇作家で演出家の飯沢匡と出会い、絵本やテレビ番組の仕事を開始。NHKテレビ番組『おかあさんといっしょ』の番組内の人形劇『ブーフーウー』のキャラクターをデザインを担当し、『ダットくん』『とんちこぼうず』などの名作やヒットキャラクターを生み出した。

 本展は、貴重な原画、ポスター、映像などで、これまで紹介されることのなかった土方の多彩な仕事をたどる。