EXHIBITIONS

開館20周年 -版の美Ⅰ- 浮世絵・新版画-幕末~昭和

2018.04.08 - 05.13

川瀬巴水 東海道風景選集 馬入川 昭和6(1931)

川瀬巴水 東海道風景選集 馬入川 昭和6(1931)

小林清親 両國花火之図 明治13(1880)

四代目歌川豊国 江戸鹿子二人道成寺 文久2(1862)

歌川貞虎 鎌倉七里ヶ濱ヨリ江の嶌遠見

井上安治 亀井戸藤 明治前期

土屋光逸 祇園の夜桜 昭和7(1932)

 茅ヶ崎市美術館が2018年で開館20年目を迎えることを記念して、「版の美―板にのせられたメッセージ」という年間のテーマを設け、4期にわたるシリーズで展覧会を開催する。開館以来、地域ゆかりの美術家の作品を中心に収集してきた当館のコレクションの中で、特にその割合を多く占める版画作品。それらをテーマごとに展示し、近代から現代にいたる日本の版画の変遷をたどる。

 幕開けとなる本展では、伝統木版の系統にある作品を特集。伝統木版とは版元の注文に応じて絵師が原画を描き、その原画を彫師が版木に彫刻し、仕上がった版木を摺師が摺りあげるという手順でつくられる木版画のこと。市内柳島の旧家・藤間家に伝わり、2017年に同館に寄贈された浮世絵をはじめ、明治期に活躍した小林清親とその弟子・井上安治の風景版画、また伝統木版の手法をとりつつ、同時代の現役画家たちによる新作原画を用いて大正〜昭和にかけて隆盛をみた「新版画」に携わった土屋光逸(こういつ)や川瀬巴水(はすい)などの作品約130点を紹介する。

 本シリーズの第2弾では、情緒あふれる瑞々しい木版花鳥画を描いた小原古邨の過去最大規模となる展覧会を開催予定。