EXHIBITIONS

杉本博司 海景 江之浦|前写真、時間記録装置

2026.07.04 - 09.12
 東京・銀座のギャラリー小柳で「杉本博司 海景 江之浦|前写真、時間記録装置」が開催されている。会期は9月12日まで。

 写真、建築、造園、彫刻、舞台芸術、書と多様な領域で活動するアーティスト・杉本博司(1948〜)。その芸術の原点は、半世紀にわたって追求してきた銀塩写真にあり、「ジオラマ」「劇場」とともに初期三部作のひとつである「海景」は、その代表作として知られる。

 本展では、小田原文化財団江之浦測候所から撮影された「海景」の全作品を一堂に展示するほか、杉本自身が蒐集した化石を撮影し、プラチナプリントで制作した「P.P.T.R.D.」(Pre-Photography Time-Recording Device)シリーズをあわせて紹介する。

「海景」は、「古代人が見ていた風景を、現代人も見ることは可能なのだろうか」という問いのもと、太古から変わらない空と海の風景を写し、人類の意識の始まりをたどるシリーズだ。杉本は自身の「原風景」という相模湾の海景を、小田原文化財団江之浦測候所から2022年より撮影しており、今回の展示では2022年の第1作から26年の最新作まで、江之浦で撮影された「海景」の全作品を公開している。

 また「P.P.T.R.D.」シリーズは、人類の発生以前の過去を記録してきた媒体である化石を「写真以前の時間記録装置」と捉え、再び写真として定着させた作品群となっている。杉本が長年蒐集してきた化石を被写体とし、プラチナプリントによる銀塩写真とは異なる質感と豊かな階調のプリントを見ることができる。