EXHIBITIONS

風間サチコ展:方丈ルームの1000里眼

2026.06.05 - 11.15

風間サチコ《ありがとう、我が愛する白鳥よ!》(2026)作家蔵
©︎Sachiko Kazama Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production  Photo by Kei Miyajima

 弘前れんが倉庫美術館で「風間サチコ展:方丈ルームの1000里眼」が開催される。

 風間は1972年東京都生まれ。風間は、黒一色で刷られた木版画を主な表現手法として、近代化によって変化した日本社会に関心を寄せ、国家、資本主義、科学技術を象徴するモチーフを軸に、それらがもたらした進歩の裏側にある犠牲や矛盾を描いてきた。オリンピック、東日本大震災後の原発事故などの時事的なトピックから学校などの身近な場所まで、近現代の社会的事象を題材に、文学、神話、個人的記憶を交差させた作品で知られている。

 本展のタイトルは、鴨⻑明が記した随筆『方丈記』から着想を得ている。風間にとって、自宅の四畳半の居間もまた、本を読んだり作品の構想を練ったりする、思索の場所である。本展覧会では、風間の1990年代の初期作から近年の代表的な木版画、そして弘前での展示にあわせた最新作の絵画まで、約60点を紹介する。

 新作の油彩画では、弘前で出会った一冊の本がきっかけとなって生まれた「白鳥」を描いたシリーズを展示。本展に向けたリサーチで目にした、平内町の浅所海岸や⻘森市の合浦公園などの風景などが登場し、歴史や文学、伝説のイメージとかさね合わされる。また、⻘森や岩手の旧南部藩で遊ばれていたとされるカルタの一種「黒札」の図案を巨大化させたアクリル画にも取り組む。あわせて、風間サチコの「方丈ルーム」での作品の思索の軌跡を辿ることができる、部屋型のインスタレーションも公開する。