EXHIBITIONS

内田涼「Tide pool」

2026.05.01 - 06.06
 Otherwise Galleryで、内田涼による個展「Tide pool」が開催される。

 内田は1989年静岡県生まれ。2015年武蔵野美術大学油絵学科卒業。絵具の滴りや筆致、切り取られた形象をレイヤードすることで、イメージの解体や不確実性への接近を試みている。多義図形や和製英語を取り入れながら、知覚のズレや差異による効果に関心を寄せる。近年の主な個展に、「裏庭に二羽、庭に二羽」(アート / 空家 二人、東京、2025)、「ウィンド・ウィンドウ」(Otherwise Gallery、東京、2024)、「Plants」(街並商店、長野、2024)、「帆と机、凧と凩」(YES、東京、2024)、「スモークアンドミラーズ」(清須市はるひ美術館、愛知、2024)など。2023年より長野県と東京都の2拠点をベースに活動する。

 本展は、2024年の「ウィンド・ウィンドウ」以降の展開として、新作を発表するもの。内田は制作のなかで起こる偶然や変化を積極的に受け入れながら、表現の更新を続けてきた。タイトルの「Tide pool(潮だまり)」は、波によって岩のくぼみに水が残されることで生まれる小さな生態系を指す。そこでは、何が存在しているのか判然としないまま、確かに何かが息づいている感覚があるという。異なる要素が偶然に出会い関係を持つことで、画面には予期しないイメージが立ち現れる。本展では、そうした変化の過程そのものに焦点が当てられる。

 本展について内田は次のようにコメントしている。

「雨上がりに水たまりを見かけると、中で何かが泳いでいるような気がしてじっと見つめてしまう。そのたびに幼い頃海岸で遊んだ記憶が蘇る。
 満潮時に押し寄せた海水が引いた時、海沿いの岩場の窪みには潮だまり(tide pool)が形成される。覗くと、取り残された生物たちが蠢いている。海から切り離された小さな空間で、偶然居合わせたもの同士が互いに距離を測って生息している。それは美しい海の縮図に見える一方で、どこかチグハグな、まがい物のようでもあった。
 真っ白のキャンバスにたっぷりの水と絵具を流し込むとき、私は繰り返す波であり、岩の窪みであり、蠢く生物であり、嬉々として見つめる観察者であり、どこまでも続く海である。その変容は、あらかじめ想定された何かを描き出すためではなく、不意をついた表出や、思わぬ出会いのために行われる。何度でも再演され、地と図が海と陸のように入れ替わる時を待っている」(プレスリリースより)。