EXHIBITIONS

ロン・ミュエク

森美術館
2026.04.29 - 09.23

マス 2016-17 合成ポリマー塗料、ファイバーグラス サイズ可変 ビクトリア国立美術館(メルボルン) フェルトン遺贈(2018) 「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館 2025 撮影=ナム・キヨン 写真提供=カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館 

 オーストラリア出身の現代美術家、ロン・ミュエク(1958〜)。その大規模個展が森美術館で開催される。

 ロン・ミュエクはオーストラリア・メルボルンに生まれ、革新的な素材や技法、表現方法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた人物だ。1986年よりイギリスに在住し、映画・広告業界で20年以上のキャリアを積んだ後、90年代半ばに彫刻の制作を開始。97年、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツでの「センセーション:サーチ・コレクションのヤング・ブリティッシュ・アーティスト」展に出品した《死んだ父》(1996〜97)が注目を集め、一躍国際的な評価を得た。以来、ミュエクは世界各地の名だたる美術館で作品を発表しており、日本では十和田市現代美術館に《スタンディング・ウーマン》(2007)が常設展示されている。

 カルティエ現代美術財団との共同企画による本展は、2023年にパリで幕を開け、ミラノ、ソウルを巡回した国際展の日本会場となるもので、日本では2008年の金沢21世紀美術館での回顧展以来、2度目の個展開催となる。会場では、巨大インスタレーション《マス》(2016〜17)を中心に、初期の代表作から近作までの11点を展示。うち6点は日本で初めて紹介されるという。

 また、フランスの写真家/映画監督のゴーティエ・ドゥブロンドによる、作家のスタジオと制作過程を記録した写真と映像作品もあわせて展示され、ミュエクの作品がどのように生み出されるのかといった過程にも光を当てる。