チョン・ユギョン「KKWANG! 꽝!」

　EUREKAで、チョン・ユギョンによる個展「꽝! KKWANG!」が開催される。

　チョン・ユギョンは、これまで自身が置かれた政治的に複雑な状況に焦点をあて、その疎外感や「場違い」といった立場を出発点に作品制作を行ってきた。本展では、チョンの作品において重要な「境界線」という抽象的なものをビジュアルにできるのか試した絵画作品を中心に発表。

　本展タイトル「꽝（クァン）」は、韓国語の擬音語・擬態語だ。主に物が強くぶつかったり、爆発したりする大きな音を表す。このタイトルは、チョンが自身の立つ「境界線」を、ふたつ以上のものが衝突する狭間ととらえ、そこには「クァン」という音が響いているのではないかと考えたことから選ばれた。

　また、「꽝」には「ハズレ」を意味する使い方もある。チョンは、自身のアイデンティティや複雑な状況と向きあうことを、まるでハズレくじを引いたようなものだと感じているという。それは、一見ネガティブに思えるかもしれないが、場違いであることやハズレを引くこと自体が、思考を続け、技術を学び、どのようにアプローチするかを模索するきっかけになるとチョンは考えている。