超絶技巧からモダンへ －京都・近代工芸の新展開－

　長崎県美術館で、2024年度国立美術館巡回展「超絶技巧からモダンへ －京都・近代工芸の新展開－」が開催されている。

　国内有数の工芸コレクションである京都国立近代美術館の工芸作品群。本展では、それらにより日本の近代（明治～昭和初期）の一側面を展望する。プロローグでは、長崎の古い工芸品も参考展示。長く国際性豊かな環境で育まれたそれらは、明治期以降の国際交流を反映した、日本近代工芸の原点とされる。

　キーワードは「超絶技巧からモダンへ」。明治前期の「超絶技巧」の工芸品は、細密な装飾性と実物そっくりの迫真性が特徴となっている。明治中期以降は、デザイン改良が課題となり、よりモダンな工芸品が生まれた。画家の浅井忠、神坂雪佳らが指導した京都の工芸品は、新鮮な美しさでいまも私たちを魅了する。

　本展では、京都国立近代美術館が所蔵する作品を中心に約170点を展示し、工芸に刻まれた激動の近代の痕跡を、京都や長崎という地域の視点を踏まえ再検証する。

　なお、会期中は一部作品・資料の展示替えが行われる。