EXHIBITIONS
第2回白髪一雄現代美術賞受賞者個展
井上裕加里「JIN JIYAN AZADÎ 女性、命、自由」
A-LABで、第2回白髪一雄現代美術賞を受賞した井上裕加里による展覧会「JIN, JIYAN, AZADÎ 女性、命、自由」が開催される。
井上は広島県生まれ。2012年に倉敷市立短期大学服飾美術学科を卒業し、14年に成安造形大学芸術学部芸術学科美術領域現代アートコースを卒業した。井上は、東アジアの近代化に潜在する歴史認識や文化観の差異、そしてそれらの関係性や地域性をテーマに作品を制作。「他者」とは何か、「私たち」と「私たち以外」の境界とは何かを、作品を通じて考察している。
本展では、イランでの滞在経験をもとにした近作・新作を中心に展示し「女性、命、自由」を取り巻く状況や視点を提示する。本展覧会に際し、井上は以下のステートメントを発表している。
「私は、近年の日本における婚姻制度や女性の地位に関する問題に関心を持っている。日本はジェンダーギャップ指数においてほかのアジア諸国のなかでも低い位置にある。しかし、この指標自体が欧米中心の価値観にもとづいており、東洋における男女平等の実感とは異なる部分があるのではないかという疑問を抱いた。そこで私は2022年、ジェンダーギャップ指数が下位に位置するイランを訪れた。
イランで女性たちと交流するなかで、彼女たちは強い結束力と豊かなネットワークを持ち、抑圧的に見られがちなヒジャブも、実際に纏ってみることで、女性としてではなく個人として尊重されるという異なる意味があることを理解し、中東地域に対する誤解があったことに気付かされた。いっぽうで、22年にはヒジャブの不適切な着用を理由に道徳警察に逮捕された女性が死亡する事件が発生し、女性の人権が依然として軽視されている現実もある。
この展覧会では、22年のデモで掲げられたスローガン『JIN, JIYAN, AZADÎ 女性、命、自由』をテーマに、この複雑な問題に向き合いたいと考えている」。
井上は広島県生まれ。2012年に倉敷市立短期大学服飾美術学科を卒業し、14年に成安造形大学芸術学部芸術学科美術領域現代アートコースを卒業した。井上は、東アジアの近代化に潜在する歴史認識や文化観の差異、そしてそれらの関係性や地域性をテーマに作品を制作。「他者」とは何か、「私たち」と「私たち以外」の境界とは何かを、作品を通じて考察している。
本展では、イランでの滞在経験をもとにした近作・新作を中心に展示し「女性、命、自由」を取り巻く状況や視点を提示する。本展覧会に際し、井上は以下のステートメントを発表している。
「私は、近年の日本における婚姻制度や女性の地位に関する問題に関心を持っている。日本はジェンダーギャップ指数においてほかのアジア諸国のなかでも低い位置にある。しかし、この指標自体が欧米中心の価値観にもとづいており、東洋における男女平等の実感とは異なる部分があるのではないかという疑問を抱いた。そこで私は2022年、ジェンダーギャップ指数が下位に位置するイランを訪れた。
イランで女性たちと交流するなかで、彼女たちは強い結束力と豊かなネットワークを持ち、抑圧的に見られがちなヒジャブも、実際に纏ってみることで、女性としてではなく個人として尊重されるという異なる意味があることを理解し、中東地域に対する誤解があったことに気付かされた。いっぽうで、22年にはヒジャブの不適切な着用を理由に道徳警察に逮捕された女性が死亡する事件が発生し、女性の人権が依然として軽視されている現実もある。
この展覧会では、22年のデモで掲げられたスローガン『JIN, JIYAN, AZADÎ 女性、命、自由』をテーマに、この複雑な問題に向き合いたいと考えている」。