EXHIBITIONS
ネオ江戸:豊原国周
青山目黒で「ネオ江戸:豊原国周」が開催される。
豊原国周は、江戸末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師。とくに歌舞伎役者絵の分野で時代を席巻し、多色摺りによる鮮やかな色彩が特徴的だ。
国周の絵は当時の大衆に熱烈に支揺され、現在確認されているだけでも13000点以上の作品を残している。しかし国周の死後、モチーフとなった役者たちも時代の流れのなかで忘れ去られ、国周の作品は歌麿や北斎、写楽らが印象派に与えた影響に比べると評価されることがなく、長らく埋もれた存在となった。
西洋化が進む明治期においても、国周は「江戸」というモチーフにこだわり続けた。それは懐古趣味の様でありながらも、過去を未来的に再設定する「レトロポップ」の美学と、同時代の技術革新(彫りや摺りの高度化)を融合させた、先進的なアプローチだった。
また、日本でいう「ビジュアル系」や「グラム系」に通じる要素も多分に見られ、それらの先駆的な影響を与えた存在こそが、国周だったと言える。過剰な表情、誇張されたポーズ、派手な戦闘シーン、刺青などの描写は、現代のストリートアートやポップアート、あるいはアニメーションに通じるキッチュさを宿している。
本展では約35点の木版画を展示。本展覧会を通じて「江戸」と「未来」が交錯する宙吊りの視覚体験を体感することができるだろう。
豊原国周は、江戸末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師。とくに歌舞伎役者絵の分野で時代を席巻し、多色摺りによる鮮やかな色彩が特徴的だ。
国周の絵は当時の大衆に熱烈に支揺され、現在確認されているだけでも13000点以上の作品を残している。しかし国周の死後、モチーフとなった役者たちも時代の流れのなかで忘れ去られ、国周の作品は歌麿や北斎、写楽らが印象派に与えた影響に比べると評価されることがなく、長らく埋もれた存在となった。
西洋化が進む明治期においても、国周は「江戸」というモチーフにこだわり続けた。それは懐古趣味の様でありながらも、過去を未来的に再設定する「レトロポップ」の美学と、同時代の技術革新(彫りや摺りの高度化)を融合させた、先進的なアプローチだった。
また、日本でいう「ビジュアル系」や「グラム系」に通じる要素も多分に見られ、それらの先駆的な影響を与えた存在こそが、国周だったと言える。過剰な表情、誇張されたポーズ、派手な戦闘シーン、刺青などの描写は、現代のストリートアートやポップアート、あるいはアニメーションに通じるキッチュさを宿している。
本展では約35点の木版画を展示。本展覧会を通じて「江戸」と「未来」が交錯する宙吊りの視覚体験を体感することができるだろう。