杉田万智「BORDER」

　ARTDYNEで、杉田万智による個展「BORDER」が開催される。

　杉田万智は、夜明け前や日没時の群青色に沈む情景と鮮やかなネオン看板を組みあわせ、民族問題・人権問題への言説や警鐘を込めた作品を一貫して制作してきた。特徴的な色彩の鮮やかな対比に加え、白く輝く縁取りを重ねることによって、より重層的でミステリアスな画面が観者をひきつける。

　本展では、以前から発表を続けている「境界」にまつわる事柄に焦点をあてた展示を試みる。軽やかに国境を越える渡り鳥、涼し気に大地を駆け抜ける日本最西端に存在する与那国馬などが「BORDER」を突破していくモチーフの象徴として描かれた。

　本展は、100号の大作を含む新作6点と、杉田が初めて発表する写真作品5点で構成される。