EXHIBITIONS

豊原国周展 明治のダイナミズム

2025.01.05 - 02.09

豊原国周 大磯祷龍館之図 川崎・砂子の里資料館所蔵

 川崎浮世絵ギャラリーで「豊原国周展 明治のダイナミズム」が開催されている。

 豊原国周(1835〜1900)は明治を代表する浮世絵師で、とくに歌舞伎役者の似顔絵で知られている。役者の半身像を画面いっぱいに描いた大首絵や、三枚続の大画面を活かしたダイナミックな構図で人気を博した。

 国周は、役者たちが見得を切る瞬間を、飛び出すような目、緊張感あふれるポーズで表現し、彼らの演技からほとばしるエネルギーや匂いたつ色気まで描き出そうとした。

 さらには、国周の初期作品、東海道に見立てた役者絵シリーズ、美人画など、国周の多彩な画業を紹介。

 また、本展では、国周の弟子・楊洲周延(1838〜1912)の作品もあわせて展示。周延は美人風俗画で知られているが、国周の画風を受け継ぐ役者絵も残している。周延作品としては珍しい役者絵と、そこから展開していった歴史画も紹介する。