畑祥雄「奇跡の森 EXPO‘70」

　The Third Gallery Ayaで、畑祥雄による個展「奇跡の森 EXPO‘70」が開催されている。

　1970年に万博が大阪で開催され、55年後の来年に再び大阪で開かれる予定だ。55年前に千里の山を切り拓くかたちでつくられたその場所は、日本庭園と岡本太郎による太陽の塔と日本民芸館が当時の面影を伝えるのみである。

　今回、畑はパビリオンの跡地に人の手が入ってつくられた「万博の森」を撮影。55年の月日のなかで育まれた多様な動植物たちの姿がおさめられ、人口の森がここまでになった理由の分析に踏み込んだドキュメンタリー写真となっている。工業化社会の祭典である万博が55年を経て、都市に再生した森となったことは、複雑な現代を生きる私たちにかろうじて未来の希望を感じさせてくれるかもしれない。

　なお、9月24日には本シリーズの写真集がブレーンセンターより刊行されている。