EXHIBITIONS

長谷川繁 旧作個展「しゃけ しゃけ しゃけ しゃけ しゃけ ねぎ バナナ」

長谷川繁 堀損樽−婆痴軽 参 horizontal - vertical three 2012 oil on cotton 130 × 97 cm

 S.O.C.|Satoko Oe Contemporaryで長谷川繁の旧作個展「しゃけ しゃけ しゃけ しゃけ しゃけ ねぎ バナナ」が開催される。

 長谷川(1963〜)は、88年に愛知県立芸術大学大学院油画専攻を修了後、ドイツ、オランダに留学し、デュッセルドルフ芸術アカデミー、アムステルダムのデ・アトリエーズで絵画を学ぶ。ヨーロッパを拠点に活動した後、帰国して個展を多数開催し、大型のキャンバスに壺や、生姜や生肉といった食べ物、プードルなど身の回りにあるものを描いた作品を発表。具体と抽象を行き来するような作風で90年代に台頭した絵画表現「新しい具象(ニュー・フィギュラティブ・ペインティング)」の作家のひとりに数えられている。

 制作活動と並行してT&S Gallery(東京・目黒)を運営し、多くの若手アーティストの展覧会企画を行いる。2003〜04年には再びオランダに滞在し、中世の絵画や室内画から影響を受けて伸びやかな筆致の作品を制作。2000年代は、それまで単体で描かれていたモチーフを幾つかに脈絡なく組みあせ、新たなイメージを紡ぎ出すような作品を手がけた。

 11年頃より作品の発表を休止し、13年の「ユーモアと飛躍 そこにふれる」展(岡崎市美術博物館)への参加以降、作品を公にすることなく制作を続けた。19年のSatoko Oe Contemporary(東京)での個展「PAINTING」で発表を再開。作風を変化させながら、一貫して「描く」ことの本質を探求している。

 本展では、旧作のなかから鮭作品など未発表の作品も含め展示する。