MOTコレクション　竹林之七妍／特集展示　野村和弘／Eye to Eye-見ること

　東京都現代美術館で「MOTコレクション　竹林之七妍／特集展示　野村和弘／Eye to Eye-見ること」が開催される。

　同館では、戦後美術を中心に、近代から現代にいたる約5800点の作品を収蔵している。「MOT コレクション」展では、会期ごとに様々な切り口を設けて収蔵作品を展示し、現代美術の持つ多様な魅力の発信に努めている。

　1階では「竹林之七妍」と題し、新収蔵作品を中心に7人の女性作家に焦点を当てる。「竹林之七妍」とは、当館所蔵の河野通勢の作品名に由来。この作品では俗世を離れて竹林に集い清談を交わす古代中国の7人の賢者「竹林の七賢」が、鮮やかな衣装を纏った女性に変えて描かれている。時代や文化といった背景の異なる7人の女性たちが光の射す竹林のなかで花や鳥に囲まれて和やかに集うさまにならい、本展示では、同館でこれまで紹介する機会の少なかった女性作家を紹介。

　生誕100年を迎えた間所（芥川）紗織と高木敏子、漆原英子と小林ドンゲ、前本彰子は新収蔵作品を中心に展示する。福島秀子と朝倉摂は既収蔵作品をまとまったかたちで紹介。あわせて、コンセプチュアルな制作を通して創造行為を探求し続けてきた野村和弘の特集展示を行う。

　3階では「Eye to Eye—見ること」と題し、様々な視線のあり方に着目。アレックス・カッツや中村宏、中園孔二などの絵画に描かれた視線を入り口に、反射する素材をもちいた多田美波やモニール・ファーマンファーマイアンの彫刻、廃墟に錯視的なインスタレーションをつくり出し写真に収めるジョルジュ・ルースの仕事、見えるものと見えないものとのあいだに遊戯性をもたらす開発好明のインスタレーションなど、多岐にわたる作品で構成する。さらに、絵画は「見るもの」ということを真摯に問い続けてきた画家、長谷川繁の特集展示を行う。