EXHIBITIONS

田名網敬一 記憶の冒険

2024.08.07 - 11.11

田名網敬一 死と再生のドラマ 2019 ©Keiichi Tanaami / Courtesy of NANZUKA

 国立新美術館で「田名網敬一 記憶の冒険」が開催される。

 田名網敬一(1936〜)は幼少期に経験した戦争の記憶と、その後に触れたアメリカ大衆文化からの影響が色濃く反映された、色彩鮮やかな作品を数多く制作。88歳となったいまも旺盛な創作活動を続ける田名網の存在は、世代や国を超えたアーティスト、そしてデザイナーたちを魅了し続けている。

 また近年、田名網は海外文化を独自に受容した戦後日本の作家としても世界的に評価が進み、ニューヨーク近代美術館(アメリカ)、ウォーカー・アート・センター(アメリカ)、シカゴ美術館(アメリカ)、M+(香港)、ハンブルガー・バーンホフ(ドイツ)にも作品が所蔵されている。

 本展は当時の資料を含めて田名網が手がけた膨大な作品を紹介することで、これまで包括的にとらえられることがなかった、その60年以上におよぶ活動を「記憶」というテーマのもとに改めて紐解こうとするもの。日本の戦後文化史と密接に結びついた作品や、増幅を続ける「記憶」を主題とした作品、未発表の新作に加え、田名網が70年代から断続的に記録してきた夢日記やドローイング、関連するインスタレーションも展示することで、尽きることのないその創造力の源泉に迫る。

 また本展覧会では、田名網のデザイナーとしての活動にも焦点を当てる。当初からコラボレーションの意識を強く持ち、それによって生じる化学反応から新たな作品をつくり出していこうとする田名網の仕事についても紹介。