EXHIBITIONS

川端龍子展

2024.06.15 - 07.28

川端龍子 源義経(ジンギスカン) 昭和13年 大田区立龍子記念館蔵

 岩手県立美術館で「川端龍子展」が開催される。

 和歌山県に生まれた川端龍子(1885〜1966)は、洋画家として出発するが、大正3(1914)年に日本画へ転向、再興日本美術院展(院展)で活躍し、脚光を浴びた。しかし昭和3(1928)年に院展を脱退、翌年に在野の日本画団体・青龍社を設立。「会場芸術」を唱え、大作を次々に発表し、人々を驚かせた。画壇に新風を巻き起こした龍子は、戦後も精力的に制作を続け、昭和34(1959)年には文化勲章を受章する。

 また、俳人としての顔もあった龍子は、戦後、松尾芭蕉の「奥の細道」を巡る旅を5度にわたって行った。その途上で訪れた平泉では、中尊寺を題材とした作品も制作している。自由な表現を求め続けた龍子の作品は、日本画というジャンルを超え、その規格外のスケール、独自の画題、斬新な画面構成などによって、いまなお多くの美術ファンを魅了し続けている。

 本展は、50年以上にわたった龍子の画業全体を探るものだ。初期の洋画・院展時代の力作をはじめ、青龍社設立から晩年までの大作やスケッチなど約100点にわたる作品を通し、明治から昭和にかけて異彩を放った龍子の魅力に迫る。