川端龍子(1885~1966)は「昭和の狩野永徳」と評され、横山大観、川合玉堂とともに近代日本画の3巨匠に数えられる日本画家。その生誕135年を記念して開催されるのが、広島県立美術館「生誕135年記念 川端龍子展―衝撃の日本画」だ。
龍子は和歌山市に生まれ、上京して洋画家・挿絵画家として活動。しかし1914年に単身渡米し、現地で日本の古美術に触れたことをきっかけに日本画に転向。翌年、院展(再興日本美術院展)で画壇デビューを果たし、横山大観の信頼を得て、将来を嘱望される存在となった。
ところが、独学で日本画を学んだ龍子の大胆かつ豪放な表現は、繊細巧緻な画風が主流だった当時の院展内で軋轢を生み、美術院を脱退。翌年には「剛健なる芸術」の創造を目指した日本画団体・青龍社を旗揚げし、規格外の大作を次々と発表してセンセーションを巻き起こした。戦後は在野の巨匠として青龍社で後進を育てながら精力的に活動を続け、59年には文化勲章を受賞している。
本展は、龍子自身によって設立された大田区立龍子記念館の全面協力のもと、その50年以上にわたる画業全体を回顧する内容となっている。