EXHIBITIONS

「ゲバルト」展

東京日仏学院、CAVE-AYUMI GALLERY、セッションハウス
2024.05.18 - 06.16

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 東京日仏学院、CAVE-AYUMI GALLERY、セッションハウスで「ゲバルト」展が開催される。

 本展は、制度の暴力のなかで特定の芸術形態がどのように発展していくかを示そうとするものである。それは、同時に、社会活動、反乱、現代の革命的な闘争における芸術の役割を問う。

「ゲバルト」とはドイツ語で暴力を意味する。1960年代、日本の国家と警察の暴力に直面した新左翼は、ゲバルトという言葉を掴み取った。彼らの語法によれば、「暴力」は体制側による暴力、言い換えれば国家の目的に奉仕する暴力を意味し、逆にゲバルトはその反動、つまり「反暴力」を意味した。

 反暴力は、法維持的暴力に対するすべての抵抗の副産物として、反乱の手段と正当性についての考察と切り離すことはできない。ヴァルター・ベンヤミンの暴力批判に沿うものであり、1928年5月1日に『Le Réveil anarchiste(アナーキストの覚醒)』にあらわれたエリコ・マラテスタの言葉も想起させる。彼は、奴隷はつねに正当防衛の状態にあり、「主人や抑圧者に対する反乱は、つねに道徳的に正当化される」と説明した。

 本展で展示される作品は、反乱のメタファーや積極的参画実践にもとづいている。国家の暴力、資本主義の制度的抑圧、あるいは制度的権威主義(プロパガンダ、検閲、監視)に直面したそれらの作品は、様々な反暴力的反応とその美的様式を反映するものである。

 本展は、制度の暴力に対するこうした様々な抵抗のかたちを視野に入れている。見出される芸術のパフォーマティヴィティや、直接行動で社会に変化をもたらす可能性についての政治的な問いは、歴史的なアプローチにもとづいている。

 加えて、ゲリラの経験に付随する芸術形態と、抵抗の触媒として機能する活動との対決は、反暴力と非暴力の接点において、政治的行動の様式と呼応しながら、闘争的な芸術表現の様々な様式を検証する。

 出展作家は、足立正生、nadir B. + 三浦 一壮、Cabaret Courant faible(弱流キャバレー)、バディ・ダルル、遠藤薫、FanXoa、ジャン=バティスト・ファーカス、太湯雅晴、ユニ・ホン・シャープ、石川雷太、城之内元晴、キュンチョメ、三宅砂織、Onirisme Collectif、ミグリン・パルマヌ、嶋田美子。