上床加奈「EYES」

　tagboatで、上床加奈による個展「EYES」が開催されている。

　上床は1995年鹿児島県生まれ。2016年に専門学校日本デザイナー学院九州校を卒業した。作品は、日本画や浮世絵の影響を受けながら極めて日本的なモチーフで描かれており、神秘的で生命力に満ちている。そして、洗練された構図や流れるような描線、丹念な色彩構成と配色によって怪奇な架空のモノノケを視覚化する。

　本展では、愛情から絶望までの感情のスペクトルを妖怪や幻獣の目を通して提示。目には定かに見えない、その奥にある心情や視線に焦点を当てた新作からは、ジークレー版画も紹介する。本展覧会について上床は以下のステートメントを発表している。

「愛情 喜び 誇り 愉快 希望 慈愛 好奇 哀れみ 羨望 嫉妬 憎悪 軽蔑 絶望 不安 孤独、目は様々な感情を映し出す。目は人と人を結びつけ、また突き放すこともある。目を惹きたい人もいれば、それに恐怖する人もいる。どんな目で人を見て、どんな目で人に見られているのか。今回の個展では、そんな目の表情をモノノケ達の目を通し表現した」。