EXHIBITIONS

マリー・ローランサン ―時代をうつす眼

マリー・ローランサン プリンセス達 1928 大阪中之島美術館

 アーティゾン美術館で「マリー・ローランサン ―時代をうつす眼」が開催されている。

 マリー・ローランサン(1883〜1956)は、20世紀前半に活躍した女性画家。キュビスムの画家として紹介されることも多いが「前衛的な芸術運動」や「流派(イズム)」を中心に語る美術史のなかに収まらない存在と言える。ローランサンは、自分に影響を与えた存在として、同時代の画家アンリ・マティス、アンドレ・ドラン、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックの名前を挙げているが、彼らの様式を模倣することなく、パステルカラーの独自の画風を生み出した。またローランサンは画家や彫刻家だけではなく、文筆家や詩人とも親しく、自作詩も発表。さらにはバレエの舞台装置や舞台衣裳のデザインも手がけるなど、幅広い活動をおこなっていた。

 本展では石橋財団コレクションや国内外の美術館から、ローランサンの作品約40点、挿絵本などの資料約25点に加えて、ローランサンと同時代に活躍した画家たちの作品約25点、合計約90点を展示する。ローランサンの画業を複数のテーマから紹介し、関連する他の画家たちの作品と比較しつつ、ローランサンの初期作品から最晩年の大作《三人の若い女》に至るまで、ローランサンの幅広い活動と作品の魅力を紹介。