小山真由子「Passion」

　LOKO GALLERYで小山真由子の初個展「Passion」が開催される。

　小山真由子は1978年広島県生まれ。ロンドン芸術大学チェルシーカレッジオブアート・ファンデーションコースを修了後、2018年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修士課程を修了。現在は東京を拠点にコラージュ、ドローイング、オイル、銅板などを用いた抽象絵画を制作している。

　本展では、オイルによる「クラウドフラワー」シリーズやコラージュ手法を重ねた「スケッチブック」シリーズ、ドローイング作品《デメテル》など、これまでの実践を展示。展示の核とも言えるクラウドフラワーは、小山にとっての自画像であり、自身の女性性や人間の両義性、普遍的人間としてのかたちを重ねているという。

　抽象絵画の可能性を探る小山が「身体的、官能的なリアリティが出ることを感じた」からかもしれない、と分析するコラージュ手法を用いた作品には、友人から譲り受けた紙袋の一部や切り取られた古書、日常で使用しているペーパータオルなど、生活空間に存在する物が使用されている。小山が絵画の延長として考える作品には、物質が持つ力と絵具の筆致の相乗効果が見られ、鑑賞者に身体的な感覚をもうながすという。