EXHIBITIONS

生誕101 年 松澤宥展

松澤宥 Untitled 1959頃 ©Kumiko Matsuzawa, Courtesy of gallery ART UNLIMITED

 ギャラリー・アートアンリミテッドで「生誕101 年 松澤宥展 」が開催されている。

 松澤(1922〜2006)は長野県諏訪郡下諏訪町生まれ。64年には、「オブジェを消せ」という啓示をうけ、66年には「人類よ消滅しよう行こう行こう」という言葉を生みだし、垂れ幕にして会場に展示するなどのパフォーマンスを行なった。76年のヴェネチア・ビエンナーレや77年のサンパウロ・ビエンナーレなど数々の国際展にも参加し、国内外で活躍。現在では日本のコンセプチュアル・アートの祖として知られており、アーカイヴの研究、整理、再評価が行われている。

 本展では「オブジェを消せ」の啓示以前の、展示されることが少なかった絵画を中心に希少な資料を加えた約30点が展示されている。本展覧会を通して松澤作品がもつ色の深み、松澤が参考とした金剛界曼荼羅(九会の格子)の作用、 エロスイメージあるいはシュルレアリスムを想起させるコラージュの潜勢力を堪能してほしい。