EXHIBITIONS

マリー・ローランサンとモード

京都市京セラ美術館 本館北回廊1階
2023.04.16 - 06.11

マリー・ローランサン マドモアゼル・シャネルの肖像  1923 油彩/カンヴァス パリ、オランジュリー美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

マリー・ローランサン ピンクのコートを着たグールゴー男爵夫人の肖像 1923 油彩/カンヴァス パリ、ポンピドゥー・センター
Photo © Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / image Centre Pompidou, MNAM-CCI / distributed by AMF

 Bunkamura・ザ・ミュージアムで開催されたマリー・ローランサン生誕祭140年を記念した展覧会「マリー・ローランサンとモード」展が、京都市京セラ美術館に巡回する。

 マリー・ローランサンは1883年パリ生まれ。アカデミー・アンベールで絵画を学び、ピカソやブラックとの交流から、初期にはキュビスムの影響色濃い作風であった。後に、パステル調の淡い色調と優美なフォルムが特徴の女性的な作風に変化した。エコール・ド・パリの中でもひときわ輝く存在となり、詩人アポリネールとの大恋愛でも知られる。

 ふたつの世界大戦に挟まれた1920年代のパリでは、様々な才能がジャンルを超えて交錯し、類まれな果実を生み出した。とりわけ女性たちの活躍には、目を見張るものがあり、ともに1883年に生まれたマリー・ローランサンとココ・シャネルの二人は、大戦後の自由な時代を生きる女性たちの代表ともいえる存在と言える。

 女性的な美をひたすら追求したローランサンと、男性服の素材やスポーツウェアを女性服に取り入れたシャネル。本展では美術とファッションの境界を交差するように生きた二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、そして美しいバイアスカットを駆使したマドレーヌ・ヴィオネなど、時代を彩った人々との関係にも触れながら、モダンとクラシックが絶妙に融合する両大戦間パリの芸術界を俯瞰している。