江口智之 × 小寺創太 回顧展

　代々木のギャラリーTOHで、江口智之 × 小寺創太による「回顧展」が開催。ふたりが2022年5月に開催した「ストーンテープ ~見たら呪われる展示~」以降、2回目となる展覧会。

　小寺創太は1996年東京都生まれ。2021年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。「いる派」として自身や鑑賞者の身体を素材とし、インスタレーションの内部に組み込む作品を軸に制作してきた。主な展示に「界面体」（CON_、東京、2022）、「調教都市」（Token Art Center、東京、2022）などがある。

　江口智之は1998年生まれ。2022年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、現在は東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻に在籍中だ。美術館をバックグラウンドに持つ意識から美術の需要者研究及び、美術館の特権性と公益性についての研究と制作を行う。主な展示に「獸 （第0章 / 交叉時点）」（BUoY、東京、2021）、「スピーカー」（rusu、東京、2020）などがある。

「SNSで作家による情報発信が日常化する現代『作品外の情報』が『作品』を粉飾するという事態が鑑賞体験の複雑化を助長させ、多くの作家がその状況に飲み込まれている（本展ステイトメントより）」と考察しつつ、今回ふたりは異なる視点ではあるが互いに共通する関心をテーマに展示を行うことにした。江口は「編集」を、小寺は「作家」をモチーフに展示を構成する。